躍動
【ルックスマート フェラーリSF70H S.ベッテル モナコGP 2017】
2015年に新時代の幕開けを告げ、2016年の低迷を経て一躍トップランナーに躍り出た2017年のベッテル・フェラーリ。打倒メルセデスに名乗りを挙げました。
フェラーリにとってモナコGP制覇は16年振りの快挙であり、さらにワン・ツーフィニッシュだけを見ても7年振りの成果となったこのレース。前半戦のフェラーリの勢いはチャンピオン候補としては十分で、高速サーキットではライバルに勝利を譲るものの得意の低速ハンガリーGPを制するなど最強メルセデス相手に一進一退の攻防を繰り広げます。
しかしその勢いが一年続かないのが今のフェラーリ。後半戦のアップデートを尽く外すとシンガポールGPでは痛恨の同士討ちによる0週ダブルリタイア。さらに続く日本GPもスパークプラグのトラブルでリタイアするとタイトル争いからは脱落し、例年通りハミルトンの戴冠のカウントダウンをただ見守るだけになってしまうのでした。
SF70-Hはベッテル・フェラーリ時代のマシンで一番かっこいいと思うマシンです。2017年の規定はどのマシンも見た目が劇的に改善されていますが、中でもフェラーリは随一だと思います。全体的なフォルムもかっこよく非常に複雑化したサイドポッド周りのメカメカしさもあり、そして何より速いと文句なしの一台。後半戦ですか?忘れましょう。
メルセデスと対等に戦いあったことで、タイトルが取れない理由を突きつけられたこの年のフェラーリとベッテル。とにかく一貫性が必要であり、そのうえで継続的な改善が必要だということが明らかになりました。フェラーリは素性の良いマシンを作り出せるものの、シーズンを通してのアップデート計画が機能しないという問題点が自明になってしまいましたね。それでも前途有望で、ベッテルが一番生き生きと躍動していたベストシーズンだと思います。
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