あの雨もチャンスだった

【ミニチャンプス ルノーR.S.19 N.ヒュルケンベルグ 2019】
ワークスルノーでの3年目を迎えたヒュルケンベルグ。チームメイトに優勝経験者リカルドを迎え真価が試されましたが、一歩及ばずシートを失いました。

新生ルノーのエースとして期待されていたものの結果が出ず、新たにリカルドという実力者がやってきたことで窮地に陥ったヒュルケンベルグ。
入賞率は5割近くそこそこポイントを獲得していたもののW入賞を果たしたレースではすべてリカルドに敗れるというあと一歩足りないレースが続きました。

流浪の末にようやく手にしたワークスチームのシートだったのですが、上述の成績不振を理由に夏休み前にシートを喪失してしまいます。
以降数年間はリザーブドライバーとしてレギュラー参戦を退くことになりました。当時はリカルドに負けていたしやむなしと思いましたが、後年その能力が評価された今となってはこのラインナップで結果が出なかったルノーの深刻さに目が行きますね。

そんな負け越しだった2019年にもポディウムチャンスはあり、大雨で荒れたドイツGPは完走していれば3位は堅かったレースでした。
ウェット→ドライ→ウェットの大混乱とメルセデスピットの大失策で有名なこのレース、スタートがよく前半5位を走行していたヒュルケンベルグは雨を味方に一時2位まで浮上するのですが、その雨に足をとられクラッシュしてしまうのでした。

ドイツGPは3強6台のうち4台が後退、表彰台はレッドブル・フェラーリに次いで3位にトロロッソのクビアトでしたから「生き残っていればなぁ……」と思わずにいられませんでした。
ドライタイヤ中の降雨でクラッシュが相次いだ最終コーナーに彼はインターに変えていたのに突っ込んだんですよね……。
当時は「これが最後の表彰台チャンス、彼はものにできなかった」と思っていたのに、その雨に恵まれて6年後に表彰台を掴むんだから諦めない力はすごいです。
2012年の雨は「まだきっと次がある」と思え、実際チャンスは思っていた以上にあったものの、そのどれも掴めないままこの年までくるとは思いませんでした。長かったねぇ……。
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