苦労の末の初優勝

【ミニチャンプス メルセデスW13 G.ラッセル ブラジルGP 2022】
2020年の代役参戦時に逃したチャンスを取り返さんとばかりにメルセデス昇格を果たしたラッセルでしたが、その当時とは似ても似つかない低迷したチーム状況に苦しみました。それでも勝利を掴み取ったのはさすがの才能でしたね。

ハミルトン共々シーズン序盤から二強相手に苦しんだラッセル。しかしリタイアを除き前半戦は全て3-5位での完走と抜群の安定感を見せました。
ハンガリーGPでは低速サーキットの特性を味方に自身初のポールポジションを獲得。二強の陰に隠れながらも、トップチーム1年生としては非常に堅実に結果を残していたなと思います。この安定感こそが彼の強みですよね。

チャンスが訪れたのは終盤のブラジルGPで、最速レッドブルが大きく低迷し好調フェラーリも前半程の勢いを失っており、ラッセルはスプリントと決勝レースで2連勝を達成。チームメイトでデビューから続く連勝記録が懸かっていたハミルトンを従え、初優勝を挙げました。
ラッセルの初優勝への感動というよりは「なんでこんなにレッドブルが急に低迷したの?」という不思議な感じで、二強が崩れた結果彼が勝利すること自体はあまり驚きはなかったような、そんな安定感のあるメルセデスでの1年目でしたね。

ハミルトンと共にポーポイシング問題に悩まされたラッセル。共にFIAに健康被害を訴えつつもルイスよりは体力面でまだ余裕がありそうでした。
ラッセルは2020年に1戦だけ最速マシンを手にしたとはいえ、こうして移籍したチームが低迷しているのは良いのか悪いのか判断が難しいところですよね。このあと成績が向上すればこの経験は必ず生きると思うのですが、ずっとこんな調子だと彼の生涯成績に大きく悪影響ですよねぇ……。

初のトップチームフル参戦・初ポール・初優勝を成し遂げてトップドライバーの仲間入りを果たしたラッセル。しかし長らくメルセデスが完全復活せず勝利を積み上げることが難しかったうえ、ハミルトンの後任次第ではその立ち位置も大きく変わりこの数年は結構正念場でしたよね。
メルセデスに昇格を果たしたもののその立ち位置は盤石ではなく将来が不安定なラッセル、果たして実力派が揃った同期2019年組の中で生涯成績は誰がトップになるのでしょうか。
ベテランのボッタスがいながらも多くが彼の初優勝を予想したサクヒールGPはもう4年も前の事。結果的にはこの時勝利してその後の連勝を期待してメルセデス入りするよりも、まず1勝を目指してこのチームに昇格してきた方が状況にはマッチしていましたね。
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