圧勝のシーズン
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【ミニチャンプス レッドブルRB18 M.フェルスタッペン 日本GP 2022】
前年ハミルトンとの激闘を制し、フェルスタッペンは王者として挑む初のシーズンになった2022年。フェラーリの復調で再び激戦が繰り広げられるかと思われましたが、2021年を経験した地力の差で連覇を決めました。
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全22戦+3回のスプリントで争われた2022年シーズン。フェルスタッペンは開幕戦と第3戦をトラブルで落とし、その間優勝と2位を続けたフェラーリのルクレールとのタイトル争いが繰り広げられることになりました。序盤で既に大差がついてしまったものの、マックスはエミリア・ロマーニャGPで史上初となる「スプリント優勝&決勝レース優勝&ファステストラップ」の完全制覇で大量34点を記録し、ルクレールに大きくプレッシャーをかけていきました。
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中盤以降はフェラーリがそのプレッシャーに押し負けるかのようにミスを連発。マシントラブルやルクレールのミスによる3度のリタイアや、その間調子を上げてきたメルセデスの表彰台獲得でポディウムにも届かない時間が続きます。そんな苦しむライバルを尻目に粛々と勝利を積みかさねたマックスはルクレールを逆転して以降あっという間に大差を広げ、残り4戦を残して日本GPで連覇を達成しました。
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2022年は近年稀に見ぬ空力規定の大変革の年となりました。前年までの複雑なウイングが撤廃され、グラウンドエフェクトが復活。各チームここ20年で見たことがないほど個性的なマシン形状に分かれました。かつてグラウンドエフェクトが採用されていた80年代に露呈したマシンが跳ねる「ポーポイシング」問題に再び各チーム悩まされる1年となりましたが、当時の知見を持ったフェラーリとニューエイは早々にその問題を解決。最終的には各チームがこのレッドブルに追随する形でマシンデザインが集約されていきました。
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当時のシーズン最多勝記録となる15勝を達成し、歴史的な大勝利のシーズンとなった2022年のフェルスタッペン。2021年の死闘を経験した彼にとって、ミスを頻発するライバルでは戦いの相手にならないことが明らかになりました。マックスはマシントラブルやチームの作戦判断で数戦勝利を逃していますが、2023年はその取りこぼしを勝ち切る「完全制覇」のシーズンへと挑みます。
タイトルを決定した日本GP仕様のモデル。鈴鹿での開催は2023年を最後に春に移行したので、このマックスの2022年が鈴鹿でタイトルを決めた最後のチャンピオンとして末永く記録されることでしょう。
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