レッドブル RB7 S.ベッテル

レッドブル2011

代償

【ミニチャンプス レッドブルRB7 S.ベッテル 2011】

ベッテルがポールポジションを連発した2011年シーズン。決め手はもちろんオフスロットル・ブローでしたが、こんな最速マシンに乗った代償が晩年彼を襲ったのではないでしょうか。

この「RB7」は上述の通り、排気吹き付けディフューザー「オフスロットル・ブロー」でシーズンを支配したマシンであり、特にシーズン前半はその驚速を武器にPPと優勝を連発しています。

またこの年は予選時DRSがどこでも使えるとんでもないルールだったので、「DRS全開で不安定なリアをブローで補う」マシンで暴れまわったベッテルが15回のシーズンPP記録を樹立しています。

ちなみに、第2戦マレーシアGPはこの年の典型的な、言ってしまえば単調なレースの一つだったのですが、決勝日の4月10日は私が上京して一人暮らしをして初めて自炊をした思い出の日だったりします。

F1を見たいのにお腹が空くから観戦を途中で中断してキッチンに向かい、チャーハンを作りました。趣味よりもまず食事が必要でそれは自分で行う必要があって、これが一人で生活するということなんだなぁと感じた記憶があります。非常に強く記憶されている思い出。

さて話を戻し、「RB7」は2010年代で最もF1マシンらしい完成したルックスだと思っています。2011年マシンは段差や背びれなど余計なものがなく、その中でもレッドブルのマシンが一番洗練されている印象があるんですよね。

F1マシンのシルエットはレーシングカーのアイコンとして様々なところで見かけるものですが、これ以降はがらりと変わる2022年までどことなくこのマシンを感じるアイコンが多いです。

躍進の原動力となったその「オフスロットル・ブロー」。ミニカーでもわかるレベルで「直接吹き付けてます」っていう構造をしていますね。

当時は序盤トルコGPくらいまではこの装置が注目されていなかったと記憶しているのですが、ミニカー用の図面はどのタイミングでメーカーに共有されていたんでしょうね。実は観察からミニチャンプスの方がライバルチームより先にこの形状に気づいていたりして?

この年の強さはどこへやら、キャリア晩年のベッテルはスピンを連発し「戦えないドライバー」となってしまいました。ただ今この2011年を振り返ると「DRS全開でもアタックできた」こんなマシンに乗って予選アタックを連発していたら、晩年リアが抜けてスピンを繰り返してしまったのもなんだか頷けるような気がします。

未だに最多記録として君臨するシーズン最多15回のPP獲得記録ですが、その代償は結構大きかったのではないでしょうか……。

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