最初の引退マシン

【ミニチャンプス ウイリアムズFW38 F.マッサ 2016】
リリース当時はマッサのラストマシンになるはずだったこの一台。例年ボッタスだけ買っていてもこの年はマッサもという人も多かったのではないでしょうか。しかし宣言通り引退したバトンと異なり彼はロズベルグ引退劇の煽りでもう1年参戦となったので、このマシンに特別な意味はなくなってしまいました。

この年のウイリアムズは悲しいくらいに目立ちませんでした。前半こそコンスタントにポイントを重ねてきましたが、中盤以降はフォースインディアに先を越され、そのままポイント差はずるずると開く一方。案の定コンストラクターズは5位まで転落し、ここ数年の好調はメルセデスPUのおかげで浮上しただけという印象を決定付けチームの弱さを露呈してしまいましたね……。

獲得した表彰台はエースのボッタスが雨のカナダGPで3位フィニッシュした一回のみで、ウイリアムズの低調ぶりは明らかでした。マッサも頻繁にポイントを獲得してはいるんですが、ほとんど下位なのでとにかく地味でしたね。母国ブラジルGPでの引退セレモニーが印象に残るだけで、マッサはシーズンを通してあまり目立つことはなかったかと思います。

最初は目新しさのあったマルティニカラーも3年目を迎え、そろそろ飽きがきました。シーズン中スポンサーロゴはいくつか変わったもののモデル化に至るような結果は出ず。PU元年から続く直線番長から脱却できないままメルセデスPUのアドバンテージの目減りに合わせて成績を落とし続けてきたことが顕著に表れています。結局マルティニを獲得してから失うまで、目立ったマシンの改善は見られなかったんですよね……。

1度目の母国ラストランはクラッシュで終えてしまったマッサ。雨の予報を聞いてなんとなくそんな気はしてました。しかしそこからのガレージ凱旋が素晴らしく、ピットレーンではウイリアムズや古巣フェラーリに加えメルセデスのクルーまで大勢が出迎え、パドックでの愛され具合が見て取れました。クラッシュをみて泣き出すコースマーシャルや家族との抱擁など、これはこれで感動的なフィニッシュでしたよね。
しかし翌年、まさかの続投要請で新人ストロールのお目付け役に任ぜられます。2017年は更に低迷しブラジルGPではドライレースで淡々と10位完走でしたが、息子からの温かいラジオ無線によってこちらもまた感動的なラストランに。引退宣言すらできなかったドライバーが多々いるなかで、2度もセレモニーを受けたことは2008年の失意を少しだけ穴埋めしてくれたかなと思いたいです。
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