最も僅差の勝利
【ミニチャンプス レッドブルRB19 M.フェルスタッペン モナコGP 2023】
圧勝した2023年シーズン前半で最も勝利が危うくなったのはこのモナコGPではないでしょうか。雨に翻弄される展開でアロンソとのマッチレースを繰り広げましたが、相手のミスに乗じて首位を維持しました。
二人の対決は予選から白熱し、Q3ではアロンソが先制してトップタイムを記録すると対するフェルスタッペンは0.1秒以下の僅差でそのタイムを更新します。セクター2時点ではマックスが0.2秒も遅れていましたが、最終ホームストレートで壁にタイヤを擦りながらの力走で首位を奪還。個人的にはアロンソの2012年以来となるポールポジションをぜひ見たかったのですが、それでもマックスの最後の渾身の一撃には痺れましたねぇ。
決勝レースではその両者が1-2体制のまま迎えた終盤、降雨によって混乱が生じました。どのタイミングでタイヤを変えようかという鍔迫り合いの状態でしたが、先に動いたのはアストンマーティン陣営。しかしまさかのミディアムタイヤへの交換という失策を犯し、アロンソが再びピットインしてインターに履き替える間にフェルスタッペンが難なく首位のままタイヤ交換を完了。これで決着となりました。
レース後にアロンソは「あのピットはミスではない」とチームを擁護するコメントを出していましたが、本当にそうなのか素人目には疑わしい作戦でしたよね。まぁ本当にミスだとすれば、それを庇う大人なアロンソに驚かされるのですが……。
モナコGPでミディアムタイヤを50周以上もたせる我慢の展開となったこのレース。「速さはあれどタイヤもちが悪い」なんていう攻撃的なマシンはこれまで多々ありましたが、このRB19はそんな耐久戦にもしっかり対応できるオールラウンダーぶりを見せつけました。しかしアゼルバイジャンGP、このモナコGPと市街地レースでも圧勝を続けてきたのに、唯一落としたシンガポールGPでは表彰台にも届かない唐突な失速ぶりが不思議ですよね。
フェルスタッペンショップ別注モデルは特別仕様としてインターミディエイトタイヤがユーズド仕様となりました(もしかしたら通常品も一緒かも……)。これは最近のミニチャンプスでよく使われるディティールアップですね。別注品では通常品との差別化に「フィニッシュライン仕様のタイヤへの変更」はよくなされるのですが、チャンピオン獲得前まではよく見られた特別ドライバーフィギュアへの変更のような工夫は最近めっきり無くなってしまいました。まぁ通常年間1-2台のリリースが当然の業界で15台だの19台だのと企画・製造する担当者らの激務を思えばしょうがないとすらも思えてきますよね。
2023年シーズン最大のたられば、「あの時アロンソがインターに交換していたら」というもしもが残るこのレース。以降中盤にかけて失速していくアストンマーティンが最もレッドブルに近づいたレースで、後半戦はフェラーリ・メルセデスが追い上げを見せるもマックスを脅かすほどではないという状況でしたので個人的にマックスがこの年最も苦戦したレースの一つかなと思います。私がアロンソファンなのでひいき目が入っているかもしれませんが、あの時アストンマーティンには確かにチャンスがあったはずなんですよ……。
2022年はピットタイミングの悪さで勝利を逃していたので、モナコGP制覇は2年振りとなったこの年。この最強マックス・フェルスタッペンをもってしても成し得ないことからモナコGPの連覇がいかに難しいかがわかりますよね。自分が決めるところはしっかり決め、ライバルの邪魔ができるならするというロズベルグは徹底していたなぁと再評価してしまいます。
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