史上唯一のオーナーチャンピオン
【スパーク ブラバムBT20 J.ブラバム 1966】
エンジン規定が変更された1966年、タイトル最有力候補と見られたフェラーリのお家騒動に乗じて、ブラバムが史上唯一となるオーナードライバーとして自身のチームでチャンピオンを獲得しました。
全9戦中5戦の有効ポイント制で争われた1966年シーズンは、新たに採用された3Lエンジン規定がシーズンの話題の中心でした。それまで英国勢の好調を支えたクライマックスが3Lエンジンに参戦しなかったことで勢力図が変化し、フルワークスの強みを生かしたフェラーリがチャンピオンの筆頭候補に目されます。
対してブラバムは同郷オーストラリアのメーカーレプコからエンジン調達に成功し、フェラーリにパワーで劣りながらも軽量で信頼性のあるエンジンはブラバムに競争力をもたらしました。フェラーリのエース、サーティスがチーム首脳陣との対立で離脱すると、ブラバムは中盤に4連勝を挙げてタイトル争いで一気に優位に立ちます。
ブラバムのBT20はチャンピオンマシンの中で最もミニカーの入手が難しい1台です。この年参戦したマシンのうち、BT19はミニカーを確認できずBT20はこのスパークの旧モデルのみ。極端に生産数が少ないのか、非常にプレミアがついています。2万円する1/18より高いどころか、5万円で買えれば安いほうです。そしてなによりオークションなどに滅多に出品されず、ebayを見ても数年に一度しかお目にかかれないとてもレアな一台です。
1960年のチャンピオン獲得以降は5年間勝利がなかったブラバムですが、レプコエンジンの採用とフェラーリのお家騒動によって3度目のタイトルを獲得、まだ腕が衰えていないことを証明しました。ブラバム・レプコの組み合わせは翌年も強さを発揮し、1970年の引退まで3勝をあげます。
引退後はオーナー経験を生かした実業家として、ジャッドやシムテックなどモータースポーツに関わる事業に携わりました。またブラバムチームもトップチームとして、撤退する1992年まで計4度のタイトルを獲得。デビューから四半世紀以上F1の名門として歴史に名を残します。
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