育成からの卒業
【ミニチャンプス トロロッソSTR12 C.サインツ 2017】
フェルスタッペンと同期デビューにして、昇格を先に越されてしまったサインツですがその半年後には自身も育成を受ける身でないことを証明し、ルノーへのレンタル移籍という形でトロロッソを卒業します。
開幕戦からチームメイトがポイント争いに絡めず苦戦する傍ら、6割近い入賞率でリタイア以外はほぼすべてのレースで入賞を収めたサインツ。もはや彼のキャリアは学習を必要とする段階ではなく、チームの戦略を確実に実行し最大限の成果を持ち帰るなど、トップチームでも通用するドライバーだと証明して見せます。
昇格が遅れ、自身に実質的にレッドブル行きの芽が無くなってからも腐ることなく戦い続けたことで、チームとも良好な関係を築いていましたね。ハイライトはやはりシンガポールGPの4位完走で、あわやベッテル以来の表彰台という好成績の喜びをチームクルーと分かち合ったのち、この実績を手土産にシーズン中にルノーへ移籍しました。
STR12はメルセデスに次いでこの年2番目にかっこいいマシンだと思います。唯一トロロッソだけが一致した突起のないメルセデス式のノーズに加え、レッドブルコーラ風に刷新されたメタルブルーのカラーも映えますよね。2019年までのわずか3年間だけのカラーリングとなってしまいましたが、失うには惜しいデザインです。
過去、レッドブル昇格かプログラムからの離脱しか道のなかったレッドブル育成に新たな道を生み出したサインツ。フェルスタッペンと対をなすと評されただけの速さは噂に違わず、ルノーへ移籍後はマクラーレンを経て、ついにフェラーリのドライバーとしてグリッド先頭でフェルスタッペンのタイトル争いに対峙するまでの存在になりました。
育成出身を外れながらその道を外れてもフェラーリしたというだけで彼の資質の証明だと思いますし、ラテン系のその明るい性格なのでレッドブルがいずれサインツにタイトル争いで敗れることがあっても祝福してあげるのでしょうね。昇格を除けば、素晴らしい育成チームの卒業の仕方だったと思います。
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