トロロッソ STR4 S.ブエミ

アルファタウリ・トロロッソ2009

教訓

【ミニチャンプス トロロッソSTR4 S.ブエミ 2009】

デビュー時からV10エンジン継続使用などルールの穴を突き上手いことやってきたトロロッソ。しかし2009年に刷新された空力規定を前に、独自開発の限界を突きつけられました。

シーズンを通して入賞4回、最高位7位という悪夢のような成績だった「STR4」。この年躍進を見せたフォースインディアにも抜かれ、チーム史上唯一のコンストラクターズ最下位に低迷しました。

本当にこの年のトロロッソは記憶になかったし、なぜこのミニカーが手元にあるのかも思い出せません。どこかで投げ売りされたのを買ったんだろうか……。

新しい空力規定でマシンを設計してください、なお搭載エンジンはレッドブルと違います、なんていう無茶苦茶な条件で生み出されたこのマシン。当時は「レッドブル・テクノロジーズ」なる会社を介し2チームの図面を共有していたらしいですがこの年の大変革の前には通用しませんでした。

なおこのスキームも2010年に禁止され、以降はルール上共有できない部分は「完全独自開発」ということになっているらしいですね。本当かなぁ?

見た目がレッドブル「RB5」と酷似しているように感じてしまうこのマシン。カラーリングのせいでしょうか。こんな苦境でしたがブエミはラスト2戦で殊勝な2連続入賞を果たし、その実力を披露しています。

残念ながらF1では飛躍のチャンスがありませんでしたが、長らくレッドブルにリザーブ登録されWECではトヨタから大活躍と、彼はF1とタイミングが合わなかっただけの実力者なんですよねぇ。

2023年の低迷を受けチーム本拠地をイギリスに移転する議論が持ち上がったようですが、このマシンを見れば判断が遅すぎると言いたいですよね。この「STR4」は同じルール下で長年熟成され終盤には活躍していましたが、2022年の大変更ではまたも失敗し角田くんに苦労を強いました。

傍から、素人目に見てもこのチームは新しい規定で良いマシンを作れないように思えるのですが、莫大なお金を投じていると効果を期待してしまうのでしょうかね……。

2009年、2022年と大変革の度に失速してきたこのチームですが、唯一2017年の空力ルール変更の時は開発に成功しました。キャリアの大事な時期に危うく最下位コースもあったのでサインツは本当に運がよかったです……。

コメント